白石温麺:宮城県

 

白石温麺

温麺(うーめん)は、素麺の一種であり、宮城県白石市で生産される同地の特産品である。
白石温麺とも呼ばれ、「うーめん」あるいは「ううめん」と仮名で表記されることも多い。過去には雲麺と書いて「うんめん」とも呼ばれた。
 

 

白石温麺の製法

一般の素麺は生地を延ばす際、表面の乾燥を防ぐために油を塗る。一方、温麺は油を用いないのが特徴である。
長さ10センチメートル程度で短い束にして売られることが多い。醤油や味噌で作った汁につけて食べるのが一般的である。
熱くしても冷やしても食べるが、夏に冷して食べるのが主流の素麺とは異なり、温麺は冬の温かい麺に人気がある。
茹で時間の短さと麺の長さの短さから、料理で扱いやすい。他の材料を混ぜ込んだ変わり麺も製造されている。
 

白石温麺の歴史

江戸時代初めに白石に住んでいた大畑屋鈴木浅右衛門が、胃腸の弱い父親のため、
旅の僧に教わった油を使わない麺の製法を苦心の末会得して創始したと伝えられる。
浅右衛門は名を味右衛門と改めて温麺製造を業とした[2]。油なしで細い素麺を作る製法はこれ以前に大和国を中心に上方に存在しており、
その技術を取り入れたという経緯らしい。
油なしの素麺はさっぱりして上品で、他の素麺より高級とされ、東北地方南部に流通し、藩主の伊達家から大名・公家への贈答にも用いられた。
現在の温麺は通常ゆでて調理するが、江戸時代には蒸して食べたという記録が残っている。
当時はとりわけ冬に作られた寒製温麺が良いとされた。
白石盆地には冬に蔵王おろしの乾燥した風が吹き、それが麺の製造の便になった。
また、蔵王を水源とする小川が白石の街なかを縦横に流れているのも好適であった。
江戸時代に白石三白と呼ばれた白石の名産は、和紙、葛粉とこの温麺である。
このうち白石葛は廃れ、白石和紙の製造は一か所に限られるが、温麺は今でも盛んに作られている。
製品化された温麺には、長く裁断して束ねたものと、短く裁断して束ねたものがあり、
前者は片倉家や伊達家への献上品(そしてそこからの贈答品)に用いられ、後者が下等品であった。
温麺は一般的な素麺よりもろく折れやすいので、短くするほうが便利である。そこを少々無理をして長くしたものが上等品というわけである。
1917年(大正6年)に書かれた『仙台物産沿革』によれば、
当時は細く長い温麺を上等として「素麺」といい、太く短いものを下等として「温麺」と呼んだという。
第二次大戦後には白石市内で温麺を出す店がよく見られるようになった。
2006年には、ギネスブックへの登録を目指して、流し素麺の世界最長記録を塗り替えるイベントが白石市のスキー場で行われた。
これまでの記録を塗り替える1802メートルの「流し温麺」が完成した。
白石温麺wikiより
 

 

白石温麺の麺の太さ

太さの分類では「そうめん」(太さ1.3mmまで)に該当し、
材料も小麦粉と塩、水だけで、そうめんと同じなのですが、一般的なそうめんとは少し異なる点があります。
いちばんの違いは、油を使用しないこと。通常のそうめんは、麺を延ばすときに綿実油などの油をぬりますが、
白石温麺は油を使わないで延ばしていきます。
麺が短いこと。1本の長さはおよそ9cmしかありません。これも、少しでも食べやすいようにという配慮が活かされた結果なのだそうです。
また9cmという短さも、他のそうめんには無い特徴で、茹でやすく食べやすいと好評です。離乳食や、介護食として利用する方もおります。
白石温麺の「温」は、このような「温かい心」からきたという説があり、必ずしも温かいつゆでいただくということではありません。
薬味をきかせ、冷たいつゆでいただく冷やし温麺も、麺のコシや歯ざわりが楽しめる白石温麺の王道的な食べ方。
 

白石温麺と食塩の関係

≪ 白石温麺の食塩(ナトリウム)量が気になる・・・ ≫
 白石温麺に含まれる食塩(ナトリウム)量がかなり多いのではと、塩分の取り過ぎを心配されるお客様からの質問が寄せられています。
 結論から申しますと、温麺をゆでる段階で、ゆでるお湯の中に85%~90%が溶け出し、
 麺そのものには「隠し味」の旨みとしてのわずかな食塩だけが残ります。
 むしろ温麺を食べる時のめんつゆやソースや具材の塩分のほうが多い場合がほとんどと思われます。
 ゆでたお湯を麺と一緒に食する場合は100gにつき約3gの食塩を摂取してしまいますが、
 多くの場合はゆで湯は捨てますので、摂取塩分は3gの10%~15%の0.3g~0.5g程度となります。
≪ 食塩量とナトリウム量の関係(栄養成分表挿入) ≫
 つりがね印白石温麺等の栄養表示にはナトリウム量が表記されてあります。
 またゆであげ後のナトリウム相当量もその下に表記されてあります。
 このナトリウム量を目安として0.4で割った値が「食塩量」となります。
 今のところ全国的な表記基準として「ナトリウム量」の表示となっています。
≪ 白石温麺に食塩が含まれているワケ ≫
 製麺の工程等で食塩は重要な働きをします。
 小麦粉と食塩水を混捏(こんねつ)して麺の生地をつくります。
 その過程では、小麦粉に含まれる水和性のタンパク質と水分がグルテンというガム状の物質となって麺生地をつなぎ合わせる働きをしますが、
 食塩はそのグルテンの形成を助ける役割を果たします。つまり、麺生地のつながりが良くなります。
 次に、白石温麺を干す(乾燥)工程において、麺に練り込まれた食塩が水分を含み、少しずつ水分を放出する役割を果たします。
 乾燥工程での麺の急激な収縮乾燥によるひび割れや表面の肌荒れ等を防いでくれます。
 また完全に乾燥が仕上がるまでは、水分が多く酵素が働き易い条件ですが、
 塩分が水を含んで放し難いので、酵素の働きを抑え、乾燥仕上がりまでの品質を保つ役割も果たします。
 そして最後にお客様が白石温麺をゆでる時には、塩分がゆで湯を引きつけてゆでる時間を短くする為の働きもします。
 このように様々な役割がある為、白石温麺には食塩が入っているのです。
「きちみ製麺 白石温麺あれこれ」より
 

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