美味しさの評価基準

美味しさの評価基準・要因は人それぞれ基準が違うものであり、日本中の100%の全員が美味しいと感じる食物はそうそう無いでしょう。しかし、美味しいという感覚は全員あります。
それは人が生きる為に栄養補給を行う為に美味しい=快感と感じて、食べるという行為が楽しく食べたい、健康で長生きする為の本能が進化したものです。その進化した現在の美味しいの基準を解説致します。

美味しいと評価する判断基準は2種類

美味しいと評価する判断基準には、口の中(舌)では感じられる美味しさ(味覚)と、外的要因で脳が判断する美味しいとの2種類があります。

  1. 口の中(舌)では感じられる美味しさ(味覚)
  2. 外的要因で脳が判断する美味しさ(視覚・感覚・イメージなど)

味覚による美味しいと評価する判断基準は5種類

本来、美味しいと判断するのは味だと思いがちだが、味覚により美味しいと感じる判断基準は

  1. 甘味
  2. 酸味
  3. 塩味
  4. 苦味
  5. 旨味

上記の甘味、酸味、塩味、苦味、旨味、の5つしか口の中(舌)では感じられない。
これだけで美味しいと判断する事は出来ない。
よくテレビ等で見かける目隠しをして味を当てるゲームでは、当たらない人が多い。
何を食べているかさえ分からない場合もありますし、口の中(舌)の感覚(味覚)だけで美味しさを判断する事は人間は不可能である。
ただ、人間の味覚は不思議なもので、例えば「米」と言っても様々な品種や産地、炊き方(炊飯器や窯など)、炊き加減、水、炊いてからの時間や保存方法などで大きく味が違うのを見抜く事も出来る。
「麺」や「野菜」など、どのような食べ物でも、同じ調理がされていない限り1つ1つの素材の味の違いを見抜く事が出来る味覚をもつ。

感覚による美味しいと評価する判断基準は5種類

人間は目、鼻、口などから情報を察知し、脳へ情報を送り、それが味覚と合わさり、美味しそう、美味しい。などと判断します。

  1. 食べ物の大きさ、形(視覚)
  2. 食べ物の色や、皿のデザインや大きさ、周りの雰囲気(視覚)
  3. 香り、匂い、風味(嗅覚)
  4. 食感(サクサク、カリカリ、モチモチ、柔らかい、固い、など)
  5. 温度(食べ物、人によっての適温)

特に女性は、食べ物の大きさ、形、色、皿のデザインや大きさ、周りの雰囲気(視覚)に左右されるという本能を持っています。
男性は女性を喜ばせる場合は(視覚)の良い店に連れて行く事が多いはずです。

外的要因による美味しいと評価する判断基準は5種類

人は味覚と感覚だけでなく、外的要因にも美味しいと評価する判断基準は大きく左右されます。

  1. 体に必要な栄養素を含む味を美味しいと感じる感覚。
    (汗をかいた後に塩分が欲しくなり、塩味が美味く感じる。)
  2. 幼少のころから食べ慣れた味を美味しいと感じる。
    (「小学校の給食の味」「おふくろの味」など慣れ親しんだものが美味しく感じる。)
  3. 情報により美味しいと思い込み。
    (高級、お店の立地、高価、希少、流行、限定という情報に対して脳が美味しいと思い込み、更に美味しく感じる。)
  4. 脳の神経に直接快感を与える美味しさ。
    (油+砂糖+炭水化物の食べ物や、ジャンクフード、お菓子など身体に悪そうなものほど美味しく感じる。)
  5. 食べる為の努力
    (食べるまでの時間=遠い場所、料理を作る時間、店に並んだ時間、食材を買いに行く時間など)

油+砂糖+炭水化物の食べ物や、ジャンクフード、お菓子などは、身体に悪そう。太る。と分かっていても食べたくなりますね。人類の歴史からして糖質は極めて効率的なエネルギーで、飢餓の時代から本能的に甘いものを求める脳の回路が作られているそうで油+砂糖+炭水化物の食べ物を好む(美味しいと感じる)のは人間の本能です。仕事や失恋などのストレスだという理由で食べ過ぎる人もいますし、糖質の中毒、依存症の人もいます。そうです。脳が美味しいものを求めているのです。
また、情報による美味しいと判断する脳の働きも大きい要因です。高級店で高価なものを食べると「さすがだな」と感じてしまいます。白い服を着たコックさんの姿や、和服の和食料理人など演出にも味を惑わされます。加えて、タピオカが美味しいという流行でも多くの人が美味しいと言ってましたが、流行が終わり、冷静に考えるとそれほど美味しいとは思いません。それだけ美味しいという評価は情報に左右されます。

心、気持ちによる美味しいと評価する判断基準

  1. 料理の作り手による心、気持ち
    (お婆ちゃんが孫に美味しいものを食べさせたい。など)

心、気持ちにより美味しいと感じる判断基準は、料理の作り手が食べる人に「美味しいものを食べてもらいたい」という心、気持ちが料理を美味しくさせます。
多少の料理を作るセンスもありますが、田舎のお婆ちゃんが作った料理は美味しいでしょう。それは、心がこもっていているからです。
心、気持ちがあると、料理が上手くなる努力もしますし、高価でも、より良い食材を選びますし、労力を惜しまないから美味しいものが作れる訳です。
商売では、そうはいきません。利益を出さないといけないので、原価を考えて食材を選びますし、労力は最小限に効率良くしなければいけません。工場で田舎のお婆ちゃんと同じように素材を選んで、心を込めて丁寧に時間を掛けて作る訳にはいきません。
コンビニやファミレス、チェーン店も勿論美味しいものが沢山ありますが、田舎のお婆ちゃんが孫のために作った料理とは種類が違います。
目には見えない、お婆ちゃんの手から出汁が出ている。という噂話もあるくらい、心、気持ちは大切で、料理の作り手、食べる人にも伝わり、美味しいと判断します。

心、気持ちが一番、美味しいと評価する判断基準が大きいと思います。

美味しいと判断するには

自分の中で美味しいと判断するには
自分で美味しいと判断するには、上記の味覚、感覚、外的要因以外の項目を全てを判断すれば良いでしょうが、他人に美味しいと説明、紹介など伝える場合は、そのまま話してはダメです。
他人に美味しいと話すには
まず、自分と他人では味覚が合うとは限りません。年齢や性別によっても味覚、好みは異なってきます。
他人に美味しいと話すには、味は、外的要因の事は別として話しましょう。高級、高価、希少、限定などという情報は、味とは関係が無いからです。
それとは別に付け加えて、高級、高価、希少、限定など外的要因の事は、味が美味しいとは関係なく伝えるようにしましょう。
必ずしも高級だから美味しいとか、希少だから美味しいとは限らないからです。

美味しいと判断されるには

美味しいと判断される食べ物、料理を作るには

  1. 食べ物の大きさ、形(視覚を良くする)
  2. 食べ物の色や、皿のデザインや大きさ、周りの雰囲気(視覚を良くする)
  3. 香り、匂い、風味(嗅覚を良くする)
  4. 食感を良くする
  5. 温度を良くする(適温)
  6. 体に必要な栄養素を含む料理
  7. 幼少のころから食べ慣れた味
  8. 情報により美味しいと思い込み。
    (高級、お店の立地、高価、希少、流行、限定という情報を適切に伝える)
  9. 脳の神経に直接快感を与える
  10. 食べさせる為の努力(価値を適切に伝える)
  11. 料理の作り手による心、気持ち

上記のような事を適切に出来れば、美味しい食べ物、料理が出来るのではないでしょうか。
また「美味しい」と言われるお店が出来るのではないでしょうか。

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